三塁を蹴る

140字以上書きます

廃墟が消えていく

あまりに季節感不安定なので眩しい日は全て夏と判断してしまうようになった。桜が散った後の季節をそれでも春と言い張る気概が無い。

18歳の頃、茗荷谷に廃墟があった。元々は中国人留学生向けの寮で、何年か前に火災で全焼してから、取り壊しを待つだけの極上の廃墟になったらしかった。

夏休みに当時入っていた演劇サークルの同期と先輩と数人でその廃墟に忍び込んだ。

震災の翌年だったからか、大学に入って初めての夏休みだったからか、僕はかなり浮かれていたと思う。

ちがうよな、浮かれていたのは、僕がいまそれを思い出したからだ。そうでなきゃ、そこにあった世界全てが理由になるだろうけれど、それを言っちゃおしまいだ。

廃墟はその翌年取り壊され、僕は一度その取り壊されている途中で柵の外から眺めた以外は、もう二度とそこに立ち寄らなかった。

もう冒険もしたくないのかい

休みがやってきて、僕は一瞬も迷わず寝ている。朝の煌めく光線は僕を灰にしてしまうから、八千円の遮光カーテンで、僕は太陽と戦う


気がつくと太陽の姿は消え、外は暗くなっている。僕はカーテンを開き、「勝ったぜ」と笑う


この戦いはいつか来たるべき冒険への準備ではない、いつか来たるべき冒険への伏線ではない、いつか来たるべき冒険への布石ではない、


これは純粋に、いま寝たいから寝るという、限りなく動物的行為です


終電後の街も特別ではなくなった


では平日は人間的かというと、こちらは機械的

言わずもがなだ

そうだろ


まったくよう…… それで幸せになっちまって



この文章はかろうじて人間的だった頃の僕がプログラミングしたAIによる自動筆記だ



漫画編集者になって五ヶ月が経ちます/忘備録

漫画編集者になって五ヶ月が経ちます。面白さを「理解する」というのは感受性の死をどうしても必要とする、というよりもそれらはイコールであると思えてくる。感受性を磨き、なにかに脅かされながら、正しい世界を作ろうともがく。作家。それを最悪にクレバーな頭脳で丁寧に整え、スマートにするのが、編集者。理屈でいえばこれが正しい役割分担だと思う。

ぼくはお酒を飲めない代わりに世界酔いしていたけれど、なんだかもう素面でしかいられない。いまでは酒を注ぐ。正しいルールに従って。正確に丁寧に公平に集めて編む。

誰も知らないルールを創り出したい。

嫌なことはすぐ忘れちゃう女の子になろうぜ

「わたしのかっけえギター」と呟いてその子が放った音は本当にかっこよかったので正しい情報を正しく伝えることは本当にこの世において素晴らしいことだと思った。

もう才能があるフリも誰もなにも気にしなくていい。同じその子が舌ったらずな言葉でフニャフニャ言っていた「月が雨粒に映って何億何兆の月が生まれる」なんて話よりも、正しくかっけえギターを鳴らすほうが何京倍も泣けるよ。ごめんね二十四歳になってしまって。

 

不幸や悩みがないと作品をこしらえることができないってもう五年以上も当然のことと信じてきたけど幸せを形にすることだって大切なことだとやっとわかった。幸せをちゃんと形にしておかないと立ち止まって振り返ることができなくなる夜が終わらなくなる。私は幸せか?の問いに対して丁寧にYESはいと回答していく作業が本当の幸せを生むということがあってもいいと思う。私はカタチから入るタイプ。幸せにカタチから入っていくタイプ。

日本ダービーから人との距離のはかりかたの話へ

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日本ダービーにチュウ兵衛親分のカタキをとりにいったら二万負けたという話からはじめようと思うんですが。最終的に人との距離のはかりかたになります。

金を増やしたい気持ちより、ウリャオイって何も考えず普通じゃない額の金を投じて、それがブチ当たることでなにかしらの自分の第六感/センスの存在が立ち現れる気になる気持ち良さを求めてやっているフシがある。

それは例えば麻雀でヤバめの危険牌をなんの保証もなしに通す快感。崩れそうなジェンガの1ピースを勢いよく抜き取る瞬間。ブロック崩しで、たまたまブロックの群と天井の間にボールが入ってめちゃくちゃ点が入るのってよく考えられてるなと思います。適当にすれば適当にやるほどの気持ち良さはある。本気でやったことが上手くいくのとは別に。

いや結局本命のレースでぶっ飛ばされた、けどまあそれで済んで良かった。卒業レースも、ラスト2単位のレポートもなぜか規定字数の7割で提出して、これで通りゃもうけモンだなって気持ちだった。いやそもそも、残り卒論と別に2単位って計算も、二年前にしたっきりで全然自信がなかったけれど、なんだかんだ最後まで再計算することはなかった。合っていて本当によかった。

最近いろんな人と話していて改めて自分は、自分が強運の星のもとに生まれついていると過信しているなと思います。超がつく楽観主義です。そしてそれは、いままで自分がクソ恵まれている環境に身を置いて(置かされて)きたからだなあとも、それはまあ本とかも色々読んで、統計的にも。

そんでまあ人、人が好きというかもう結局なんとかなると思っているので、とりあえずみんなイイぞ!って気持ちになるのが特徴としてある。のはなんだかなあと思っていたけど、これは良さということにしようと。

いや実はなんとかなってなくて、たまに気がつくと、おや、これはもしかしていわゆる絶交状態というやつかな? という事態があり、まあそれはごく稀にしか気づかないので多分、気づいていない絶交が実はたくさんあるとは想像しているけど…… 『人との距離のはかりかた』という名前しか知らない曲があるんですがときおり名前だけ思い出すんですがそれがわかってないのではと思って思い出すのははじめてだな!

どうやら人との距離のはかりかたは、わかるわからないとかじゃなくて、やっている人はやっている系ぽいということに齢24にして気づいたのだけど、齢24になっちまったので、仲良い(と思っているか願っているかしている)人はどうか、うまくステップを踏んで良い距離を掴んでくれと祈るしかない針人間(針人間はウソ、というのは高2以前より比較的やっていっているつもりという気持ち)

 

俺はもう笑わされていたい

同期がいつしか言っていた「作家が死に物狂いで提出してきた努力の結晶を、どうして凡人の私たちがボツにできる?」(意訳)ということについて考えていたような気がするここ数日は。まったく働いてないので全部思考実験だけど、色々試してみた結果、「凡人の僕よりつまんないなんて許さねえぞコノヤロ」という態度である程度までいける気がした。そのためにも僕たちは勉強するしかない?

待合室みたいなところで他の就活生と一緒になる三次面接あたりから、ずっと、「自分がこの集団の中で一番フツーでありますように」と願っていた。高校のときも願っていた。大学ではナラズモノを目指して、諦めて戻ってきた。

そして自分が一番フツーな集団にいたいぞ。周りの人も僕を一番フツーだと思っていて、僕も安心して自分を一番フツーだと思えるような集団にいたいぞ。それが理想。それがユートピア

会社の同期では最初一瞬、僕がヤバい奴みたいな扱いを受けかけて本当にやめてくれ、僕はそうならないことを期待してこの会社を選んだんだぞ、それならコンサル行ったほうが良かったぞ、と暗い気持ちになったけど。でもちゃんと、どんどんフツーになっていった。逆に最初フツーだと思っていた同期はどんどんヤバくなっていった。気づいたらいつも笑っているな自分。僕は相槌をうつ。漫然とテレビを見てひたすら笑っている人の気持ちがわかった気がする。面白いよなあ。誰も笑わせなくても、笑わせてくれるなんて、すごいよなあ。

せめてより良い相槌をうつために、たくさん本を借りた。

『大怪獣』という曲を作りました。

曲を作りました。

作曲をしてみたいなあとずっと前から夢見ていました。
今年に入ってからフォークギターをはじめて、まだコードすらまともに押さえられていないんですが、学生の内に一曲と、焦るようにして、なんとか完成させることができました。

学生を終えるにあたっての挨拶はこの曲に代えさせていただきます。

全てにおいて拙いのですが、いちおう曲らしき形にはなったので公開します。これから先きっと演劇ができなくなるので、こうやって細々と曲作りに勤しんでいきたいと思っています。よろしくお願いします。

 

『大怪獣』

怪獣が 怪獣が 君の 君の街に現れた
G G C D
僕は 僕は あわててジンジャーエールこぼして
G G C D C
なあ君は覚えているかい いつもみんな笑ってたこと
G Em C Em
いつかこの日が想い出になる なんてことも思ってなくて
G Em C Em
振り返ることをやめたいな 大人ぶることもできないで
D C D Em
「忘れたことを忘れないで」って伝えることも忘れていた
D C D Em

La la la...
Em Am C Em
La la la...
Em Am C Em

世界中が 世界中が なにか なにか僕に隠してる
G G C D
君は 君は 他の誰かと通話中
G G C D C

なあ僕は可哀想かい いつも醒めない夢ばかり見て
G Em C Em
いつか世界がめちゃくちゃになる そんなことを願っていたよ
G Em C Em
欠けていたのは感受性で 子供のフリもできないまま
D C D Em
「心を捨てることは無いよ」感傷の代弁者の真似
D C D Em

La la la...
Em Am C Em
La la la...
Em Am C Em

怪獣が 怪獣が 君の 君の街に現れた
G G C D
僕は 僕は あわててジンジャーエールこぼして……
G G C D C


大怪獣