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三塁を蹴る

140字以上書きます

桜を見るために眼鏡を外す。


桜の季節 / フジファブリック - YouTube

桜を見忘れてしまった。

もちろん視界には幾度も入っていたのだけど、日本人としては、なんとなく、桜を見るというのは満開の桜の樹の下に立ち或いは座り、しげしげとその咲きっぷりを眺め、人生に喩えたりナントカしちゃったりする、とこういう行為をバッチリ全てキメないと桜を見たとは言えないんじゃないかと思う。

しかし既に四月は半ばを過ぎ、桜は大抵散ってしまった。まだちょっと頑固で根性のある奴らだけが、しかし既に枝にしがみ付くモチベーションもだいぶ下がって、肩身を狭くして咲いているといった具合。

ただこれはあんまりじゃないか、花見をするにはちょっと寒すぎやしなかったか。俺はぽかぽか陽気を待っていた。俺はぽかぽか陽気に麗らかに花見をしたかった。

 

そしたらこのザマだ!

 

大学の付近をフラフラと散策していると、ギリギリのラインで頑張っている桜を見つけた。ギリギリ咲いている。俺は彼を頑張っていると評価するけども、他からはなんて言われているか。 彼奴は天邪鬼な野郎だ。ああいうのを、KYって言うんだよなあ、なんて、散々他のヘナヘナした根性無しの桜や、イキッた梅とかにdisられているのだろう。

 

閃いた、俺は、眼鏡を外してみた。

そして集中する。桜の花びら一つ一つにピントを合わせることはせず、ただその桜色に集中した。するとどうだ、ボンヤリではあるけど、桜が咲いている!満開とは言えないけど、七分咲きくらいまでは回復したんじゃないか、なあ。

 

そうして俺は都内で最後のお花見を終えたのだった。